刺繍の洗濯は?
お問い合わせで上位を占めるのが洗濯についてです。ネットで調べても刺繍の洗濯については様々な意見があり、どれが正解なのか解りにくいですね
様々な技法・材料がある刺繍ですが、私どもの経験での御案内です
基本洗濯OK ! 気を付けたいのは、糸の色にじみ
クロスステッチなど布に刺した刺繡は基本洗濯可能ですが、刺繍糸の色滲みには気を付けましょう。最近の刺繍糸はほとんど滲みが出ず洗濯OKですが、古い年代の糸や海外の製品などで希にニジミが出ることが有りますので、ご心配な方は別布に刺して洗濯試験をしましょう。赤色ニジミが多いようです
全面刺してある作品は「注意!」
隙間無く全面刺してあり、糸の密度の高い作品はお気を付けください。洗って糸のバランスが狂い、絵柄がゆがんでしまった作品が有りました。糸の密度が高くカッチリ刺してある全面刺し刺繡は、縮んだりゆがむと修正は難しいので洗わない方が安全です
ニードルステッチやオートクチュール刺繡、シュパム刺繡などは洗わない方が良い刺繡です
布地に罫線が印刷してあるキットの取り扱いは
布地に罫線が印刷されたキットが増えてきました。完成後に水につけて印刷線を取るように指示の有る製品は、水につける事が可能です。
これらのキットには糸目が詰んだ製品は見かけませんので、全面刺しでも水に浸けて問題が起こりません
20~30分水につけると印刷線やガイドカラーがほぼ消えます。
途中、インクが溶け出して水が染まるので、すすぎの水に色が出なくなるまで何度もすすぎ洗いをしましょう
ベースの布がたくさん見えている絵柄は心配入りません
糸目の少ない作品は、洗濯後のアイロン掛けや、額装時に引っ張って固定すること等で、修正が簡単に出来ます
また、布の部分の汚れは、後日シミとなる場合が有ります。布のシミは大変目立つので、制作中に汚れが付いた場合は、洗濯をされた方が良いでしょう
初めから布に付いている糊分が、後日点々シミになると言います。ずっと後のことを考えると、洗濯はしておいた方が良さそうです