キャンバスはなぜ弛む? おすすめの対策は?

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お届け先で弛んでしまったキャンバス

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お引き取り後店内で2日間放置し、すっかり元に戻ったキャンバス

キャンバスがたるむ!

「100号のキャンバスが弛みました。もっと強く張ってください!」 しばしばこんなご要望を頂きます

手抜きをしている訳ではありません。お届けした時点では、皺も無く気持ち良い状態に張ってある筈です。 それがタルタルに弛みます。そこで、キャンバスをお引き取りし2〜3日店内に置いておくと、何もしないのに皺も無く張り具合も良く、気持ちの良い状態に戻ってしまいます。

なぜこの様なことが起こるのでしょうか?

原因は湿度の変化にあります。 私共の店内には小さなシンクしかなく、一日中エアコンが入って乾燥しています。そこでストックし作業もしますので、キャンバスはいつも乾燥した状態に保たれています

ところがお届け先の一般のご家庭は、お勝手やお風呂場など普段から生活の湿気が有る上に季節的な湿気が加わります。
庭木が沢山あるお宅、風通しが少ないお宅、近くに広い芝生や樹木の茂った公園や小川が有るなどの環境に有るお宅は、さらに湿度が上がりたるみの原因となります。

それではなぜ湿度の変化がキャンバスの張り具合に影響を及ぼすのでしょうか?

キャンバス (麻布) の不思議な性質!

キャンバスに使われている麻布は、急激に多量の水分を含むと縮みます。
キャンバスのへこんだ部分に裏から霧を掛けると平面に戻るなどは、このためです

反面、ゆっくり湿気を含むと伸びる と言う不思議な性質も持っています。そのため、自然の気候の中でゆっくり湿気を吸った麻布は伸びて弛みます。
描画用の下地が塗布されて居ても、キャンバスの麻布は呼吸をしています。湿度が高くなると糸が伸びキャンバス布が弛むのは自然の摂理なのです。そして、キャンバスが天然の麻生地を使う限りこの性質から逃れる事は出来ません。

おすすめの対策はこちらです!

こんな気難しい性質を持ったキャンバスですが、気持ち良くご利用頂く方法が有ります


★ 緩んだうちにキャンバスプライヤーで増し締めする。
ご自身の環境でなさることで、より効果があがります。一度張り上げたキャンバスの張り直しは、少しづつ直せるので意外と簡単ですので、ぜひお試し下さい。また、一回増し締めをするとその後は弛みにくくなります

★ 常時アトリエにエアコンを入れ、部屋を乾燥させておく
多くのお宅が2階の方が乾いていますので、アトリエを2階に移すのも一つの方法です

★ 乾燥した天候の良い日に、キャンバスを外に出して裏側から長時間陽を当て、乾燥をさせる

★ 5月の連休と9月の長雨の時期は大きなキャンバスの購入を避ける。
この季節は湿度の変化が激しく、弛んだというクレームはこの時期に集まっています。

キャンバスは湿気のバロメーター

キャンバスが弛んでしまったら 「キャンバスは湿気のバロメーター!」と思い出してください
そして、上の対策をお試し下さい。

よく言われますが、

キャンバスは、雨の日など湿度の高い日に張れば良い、と言われますが
そのアトリエで保管されていたキャンバスを、その場で張った場合 のお話です


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